
クラウド上でのデータ分析基盤の構築において、多くのエンジニアが直面するのが「マネージドサービスの利便性」と「セルフマネージドによる柔軟性」の選択です。今回は後者のSelf-Managedにフォーカスし、Microsoft Azure上でElastic Stackの検証環境を確実に立ち上げるためのテクニカルガイドを作成・公開いたしました。
なぜ今、Azure上でのSelf-Managedなのか?
現在、多くのクラウドネイティブなサービスが存在しますが、企業独自のセキュリティ要件や複雑なネットワークトポロジーに対応するためには、仮想マシン(VM)レベルからの詳細な制御が不可欠となる場面が少なくありません 。本書では、Azure VM上にElasticsearch、Kibana、そして最新の管理機能であるFleet Serverを導入するプロセスを体系化しています。
本ガイドの主なポイントは以下の通りです。
- 信頼性の高いクラスター構成: 3台のElasticsearchノードを用いたクラスター(master/data兼用)のデプロイ手順を詳説。プライベートネットワーク内での安全な通信基盤の作り方を解説しています。
- 多層的なセキュリティ実装: 内部通信のTLS暗号化に必要な証明書の発行(CA生成)から、Nginxを介したKibanaのリバースプロキシ設定、さらにはAzure Bastionによるセキュアな管理接続までを網羅しています 。
- 運用の継続性を支える機能: Azure Blob Storageをバックアップ先としたスナップショットの自動化や、Elastic Agentを統合管理するFleet Serverの構築など、実際の運用フェーズを見据えた設定をカバーしています。
- 実務に即したアップグレード検証: 単なる構築にとどまらず、サービスを維持しながらバージョン9.2.0から9.2.1へ移行する際の具体的なノード操作手順も収録しています。
「Elastic Portal ブログ」を通じて、Elastic活用術を定期的に発信しています。ベクトル検索の実装や、RAG(検索拡張生成)による生成AIとの連携など、現代のビジネスが求める高度な検索体験を実現するための知見を、エンジニアの視点で分かりやすく紐解いています。
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